いちだみなみ news 活きた時間 投稿日:2025年2月16日 2025年2月15日から開催中の《中世の華・黄金テンペラ画 - 石原靖夫の復元模写チェンニーノ・チェンニーニ『絵画術の書』を巡る旅》を拝見しに行きました。 展覧会では、復元模写作品だけでなく、復元模写の緻密な過程や顔料となる原石、模写につかわれる道具など普段なかなか見ることのできない切り口から堪能できました。 そして、この展覧会のメインの作品はシモーネ・マルティーニ《受胎告知》を石原氏が復元模写した作品です。この作品は金沢美術工芸大学に所蔵されています。 学生時代に何度か学内で拝見する機会がありましたが、改めて今回、学生時代とは違った感動がありました。私は芸術学専攻の学生だったこともあり、実際に講義の中で今回の展覧会でもあった模写の過程を実際に経て当時の制作者の目線で作品を知る機会がありました。 その経験があったことは私の人生において本当にとても貴重でこれからも大切にすべき時間だと改めて気づかされありがたい充実した時間となりました。 そして、今回はそれだけではなくそのご縁から学生時代にお世話になった寺田栄次郎名誉教授からご連絡をいただき、この展覧会図録に掲載された先生のエッセイ《金地テンペラを学ぶ》の挿絵としてたいへん恐縮ながら、私が学生時代に復元模写した作品の画像を掲載いただきました。 10数年前に描いた復元模写ですが、テンペラ技法を学び、描いた懐かしい記憶が蘇り身の引き締まる思いでした。この場をかりて、このような貴重な機会をいただき感謝申し上げます。 ▲展覧会図録 ▲掲載していただいた画像部分 10年以上経っても先生の記憶に留めていただいていたことは私にとって活きた時間が確かにそこにあったことを示していて決して無駄な時間ではなかったことを改めて教えてくれた瞬間でもありました。 Twitter Facebook Google+ Pocket B!はてブ LINE -いちだみなみ news